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「シンクロ・ダンディーズ!」あらすじ(ネタバレ含む)見どころ「カオス」

洋画
「シンクロ・ダンディーズ!」は、スウェーデンの男性シンクロナイズドスイミングチームが世界選手権で成功した実話を基に、舞台を英国に置き換えて製作された映画だ。

「シンクロ・ダンディーズ!」あらすじ

主人公であるエリックは有能な会計士であるが、地方議員としてキャリアが花開きつつある妻とすれ違い、一人息子に馬鹿にされ、人生に張り合いのなさを感じていた。

公営プールで家庭や過去に問題を抱えた個性的な中年男性の寄せ集めシンクロチームと出会い、ひょんなことから自分自身もチームに参加し、彼らと共に世界選手権を目指すことになる。

家庭でも職場でも居場所がなかったエリックが、チームで一つの目標を目指す中、勇気を見出し、人と真摯に向き合うことの大切さを知り、そして人生の輝きを取り戻していく物語である。

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「シンクロ・ダンディーズ!」みどころ(ネタバレ含む)

一つの目標に向かってがむしゃらに頑張る人の姿は、傍から見ると時に滑稽で、馬鹿げているが、同時に、とても美しく、尊いものであるということを知った。

不器用な中年男性が、不器用ながらもシンクロの練習を通じ、心を通わせ、さりげないけど確かな絆を築いていくシーンにはぐっときた。

また、中年男性でありながらも、少年のようにふざけあい、ワイワイがやがや騒いでいるシーンは微笑ましく、ほっとさせられる。

彼らは、世界選手権で最終的に2位という結果を手にするが、その結果によって彼らが抱えていた問題が解決するわけでもなく、スーパースターになって大成功を収めるわけでもない。世界選手権が終われば、また日常生活に戻っていく。

しかし、一つの目標に向かって突っ走って得た結果は非常に尊く、きっとこの結果と達成感で、彼らは強くなったのではないか。彼らが今後、シンクロを続けるのか、世界選手権後に解散して辞めてしまうのかは、映画の中では分からないが、どうかこの仲間のままで続けて欲しいと願わずにはいられない。そう思えるほど魅力的な仲間とコーチで、彼らと会えて良かったと思い、映画終了後は、彼らと会えないことがさみしく感じられた。

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爽快で小気味の良いシーンは、やはり世界選手権での演技のシーン。

時に仲間ともめながら、ある時は喜びを分かち合いながら、初心者レベルから悪戦苦闘して技を習得してきた姿を見守ってきたので、本番中は、プールサイドで見守るコーチや観客席の観客と同じ視点でおじさま達を応援し、彼らの努力が報われますように、どうか失敗なく演技を終えられますように、と祈りながら観ていた。

試合直前にコーチからの演技の提案を断ったにも関わらず、最後の最後で大技である、リフトからのジャンプを決めた時は、感動して、思わず涙が流れた。

また、本番直前のロッカールームで、本番直前にもかかわらず、仲間の一人が過去のトラウマからパニックに陥り、チームの雰囲気が一気に悪くなった時、今までシンクロに関しては大きな主張をしてこなかった主人公が、訥々と自分の想いを仲間に聞かせるシーンは、主人公もまたシンクロを通して良い方向に変わった、シンクロを通して仲間との絆を築けたことの証明のようで静かに感動した。

本番を迎えるまでも、主人公が一人で職場にいる時、エレベーターで偶然居合わせた同僚をさりげなく観察し、動きをそっくり真似るシーンが描かれる。こういったシーンも、シンクロナイズドスイミングとは相手の動きと合わせることであり、シンクロの練習によって人と真摯に向き合う大切さを自然と身に付けたことの象徴のようで、印象的だった。

更に私のお気に入りのシーンの一つとして、大会後、主人公とその奥様のために、もう一度仲間が主人公と一緒に、今度は地上で演技を披露するシーンがある。地上で披露される中年男性たちの水着姿でのシンクロナイズドスイミングの動きは、奇妙で滑稽であった。しかし堂々と演技する姿は、なぜだか格好良く、言葉には上手くできないが大笑いしながらも感動してしまった。

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この映画では、しばしば「カオス」という単語が使われている。

演技を考案している時に「中年のカオスを見せて!」とコーチから檄が飛ばされたこともあったし、「カオスを楽しんでいる!」とメンバーの一人が叫ぶシーンもある。

働き盛りの男性が一生懸命シンクロナイズドスイミングの練習をしているが、ちゃんと働けているのか、とか、短期間の練習で世界選手権の2位がとれるはずがない、とか細かいことを気にせず、純粋に楽しんで欲しい。映画の登場人物たちと一緒に「カオス」を楽しんで欲しい。

主人公のように人生に張り合いを感じられない人、現状に悶々とした悩みを抱えている人、挑戦することをためらっている人……といった悩みを抱えた人に観て欲しい。観終わった後、きっと元気と勇気が湧いてくると思う。

テンション高く、「頑張れ!やればできる!」と根性論を声高に主張するのではなく、中年男性たちがメインのためか、淡々と静かに寄り添ってくれるような雰囲気の作りが心地よい映画で、私は大好きである。

おじさま達の奮闘から、たくさんの笑いと勇気が得られ、鑑賞後は足取りも軽く映画館を出て、「私ももう少し頑張ってみよう!新しく挑戦をしてみよう!」と前向きに、心が強くなった。